1.娘を「早稲アカ」に入れた理由:父の悪夢と、ささやかな復讐
皆さん、こんにちは。偏差値狂いの父です。
最初の記事で私の面倒くさいバックグラウンドを晒しましたが、今回は我が家の受験の入口について、正直にお話しします。
娘の塾選び。結論から言うと、私は娘を早稲田アカデミーに入れました。
なぜか?
それは、私がかつて早稲アカで「熱き血潮」を滾らせていたからです。
ええ、もう「体育会系ゴリゴリのスパルタ塾」というイメージですよね?私もそうでした。校舎の壁には「志望校絶対合格!」の文字。先生の熱い叫び。テスト後に竹刀は見えませんでしたが、精神的なプレッシャーは竹刀並みでした。
私自身、その「圧」のおかげで御三家に行けたと思っています。だから、娘にも…
…いや、正直に言います。
半分はノスタルジーと、半分は「私だけが辛い思いをしたわけにはいかない」というささやかな復讐心でした。
「受験とは、汗と涙で顔をグチャグチャにしながら、仲間と声を枯らすものだ!」という、もはや高校球児の精神論のようなものを、娘にも追体験してほしかったんです。(←ハイ、親のエゴと過去の亡霊!)
2.「お姫様」志向の娘、早稲アカをどう見たか
しかし、問題は娘です。
私の娘は、私とは真逆のタイプ。体育会系とは程遠い、どちらかというと「静かに本を読むのが好き」「お姫様になりたい」タイプの、自分を貫く女の子です。
塾の体験に行く前、私は娘にこう言いました。
父:「いいか、早稲アカは、熱いんよ!先生も大きい声出すんだよ!『いーくぞ!おー!』って言うかもしれんよ!
娘:「(目を丸くして)…それ、ヤンキー?」
私は頭を抱えました。「ヤンキーじゃない、熱血!」と叫びたかったのですが、娘の繊細な感受性を前に、私の熱血魂が萎縮していくのを感じました。
正直、入塾テストに受かっても、娘は「ここは私のお城じゃない」と泣き出すだろうと覚悟していました。その時は、優しく抱きしめ、すぐに別の塾を探す。それが心理学を学んだ父として、正しいアプローチだと理論武装もバッチリでした。
3.「体育会系」塾と「お姫様」の化学反応
そして、娘は早稲アカの門をくぐりました。
結果は、私の心理学的な予測を木っ端微塵に打ち砕くものでした。
最初の数日はやはり戸惑っていたようですが、すぐに娘の様子が変わってきたのです。
ある日、授業から帰ってきた娘が、いつもは静かな声で、こう言いました。
「パパ!今日ね、先生が『みんな!できるぞ!』って言って、クラスみんなで『おー!』って言ってた。私、ちょっと鳥肌がたった!」
その時の娘の顔は、いつものお姫様顔ではなく、どこか達成感に満ちた、ちょっとたくましい顔になっていました。
…あれ?ハマってる?
どうやら、娘は私のような「竹刀で殴られて育った」体育会系のノリではなく、「集団で目標に向かう一体感」という、早稲アカの持つポジティブな集団ダイナミクスに、意外な形で魅力を感じていたようなのです。
🎓 心理学パパの考察:集団の力が生む「自己効力感」
ここで、理屈の亡霊が登場します。
心理学的に考えると、これは「集団的効力感(Collective Efficacy)」が作用している可能性があります。
これは、「この集団(クラス)なら、目標を達成できる!」という自信をみんなで共有することで、個人の「自己効力感(Self-efficacy)」(自分はできる!という感覚)が底上げされる現象です。
娘は、家では静かに勉強するタイプですが、集団の「熱」を浴びることで、「私もこの熱い波に乗れば、きっとできるんだ!」という、今まで持っていなかったタイプの自信を手に入れたのでしょう。
「お姫様」のドレスの下に、「特攻隊長」の熱い魂が隠れていたとは!
4.早稲アカの選び方と、父の反省
早稲アカを選んだのは、私の過去の経験(亡霊)でしたが、娘がそこで得たのは、私とは違う「集団で燃える楽しさ」でした。
娘は、私の期待したような「ガツガツした競争心」ではなく、「仲間と声を出す一体感」という、もっと健全でポジティブな熱を手に入れたのです。
【父の反省と学び】
- 親の経験は、子の興味を制限するな: 私の「熱血こそ正義」という固定観念は、危うく娘の可能性を潰すところでした。
- 子は親の理論を超越する: 心理学でいくら分析しても、子どもの心は理論通りには動かない!特に「熱」は、理屈を超えた力がある。
もし今、お子さんの性格と塾の雰囲気が合わないかも、と悩んでいる親御さんがいたら、「まずは試してみて」と伝えたいです。
親が思う「子のタイプ」と、子が本当にハマる「環境」は、案外違うものです。
我が家の「お姫様」が「特攻隊長」になる道のり、これからも面白おかしくレポートしていきます。次回もお楽しみに!

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